Project Story
Project Story 03

保険の枠を越え、
社会課題に挑む。
若手と駆ける新規事業のリアル。
東京海上グループが挑む、保険以外のビジネス領域、いわゆる「非保険領域」での新規事業。その一つが、モビリティに関する社会課題解決を目指す東京海上スマートモビリティ(以降は「TSMO」)の車両管理・リアルタイム動態管理サービス『MIMAMO DRIVE』だ。労働環境の見直しや安全運行の徹底など、各業界で高まる要請の中、東京海上日動システムズ(以降は「システムズ」)のエンジニアたちは、いかにして困難に立ち向かい、システムを磨き続けてきたのか。プロジェクト責任者と、開発の中核を担った若手メンバー2名が、挑戦の軌跡と、その先に見出した成長の証を語り合う。
※内容は取材時のものです。
Project
member
2009年に東京海上日動火災保険に入社後、システムズに出向し、システム開発・運用にも従事。保険システムの企画業務などを経て、2023年より本プロジェクトの責任者として参画。チームを牽引し、メンバーの成長を力強く後押しする。
2020年新卒入社。情報系専攻。デジタルイノベーション開発部でキャリアをスタート。本プロジェクトでは、開発フェーズにおけるプロジェクト全体の進行管理や品質管理、運用フェーズにおけるITのパートナー企業との調整役など、多岐にわたる役割を担う。
2021年新卒入社。文系専攻。デジタルイノベーション開発部でキャリアをスタート。本プロジェクトでは、主にWebアプリケーションの追加開発におけるプロジェクトマネジメントを担当。品質向上施策などで手腕を発揮した。
Chapter 01
Chapter 01新たな挑戦の幕開け。「保険」の常識が通用しない世界へ。
『MIMAMO DRIVE』は、東京海上グループが保険事業で培ってきた知見を活かしつつ、保険の枠を越えて社会課題の解決に貢献しよう、というパーパスを体現する新規事業です。具体的には、社用車を持つ多くの企業が抱える「法令対応」や「事業の効率化」といった課題解決を目指して生まれました。私が責任者としてこのプロジェクトに参加したのは、初回サービスインの直後。システムズにとっても、従来の保険会社以外のグループ企業のシステム開発は新たな挑戦であり、会社の未来に繋がる重要なプロジェクトだと感じています。
私が参加したのもT.Mさんと同じくらいの時期でした。最初は運用業務からだったのですが、「非保険領域の新規事業」と聞いた時は、率直に「面白そうだな」と感じたのを覚えています。これまで自分たちが関わってきた保険のシステムとは全く違う領域で、新しいことができるんじゃないかとワクワクしましたね。
私も、非保険領域のモバイルアプリケーション開発に携わっていた経験はあったのですが、このプロジェクトは少し特殊でした。所属しているデジタルイノベーション開発部は、本来アジャイル開発(※1)がメインなのですが、『MIMAMO DRIVE』はウォーターフォール開発(※1)だと聞いて。これまでとは違う開発手法でプロジェクトマネジメントの経験を積める、という点に新たなスキル習得への挑戦として気合が入りました。
まさに、これまで私たちが培ってきた「保険のシステム開発」の常識が通用しない場面の連続でしたね。グループ会社ごとに、システム開発のルールやプロセスは異なります。今回は設立間もない時期だったことから、関係者と連携しながら共通ルールを整えつつ前進しました。
Chapter 02
Chapter 02手探りで進むプロジェクト。前例のない壁をどう乗り越えたか。
私が特に苦労したのは、お客様のユースケース(※2)が多岐にわたることでした。例えば、アルコールチェック機能一つとっても、法令要件を確実に満たした上で、実務に適合する使い勝手へ設計を整える必要がありました。TSMOのビジネス部門やITのパートナー企業と協働し、認識をそろえつつ、“現場で使いやすい仕様”に具体化するまで、合意形成と調整を積み上げました。
TSMOのビジネス部門との調整は私も苦労した点です。担当した開発フェーズでは、まだ「何を開発するか」が完全に固まっていない段階から伴走する形でした。途中で優先順位が変わることも想定し、変更を吸収できるような柔軟なスケジュールを提案する必要がありました。あとは、新規事業ならではのコストのシビアさも印象的です。機能ごとに予算が厳密に決められていて、ITのパートナー企業と“ミリ単位”の調整を重ねました。
S.Fさんの言う「品質」と、D.Sさんの言う「コストやスケジュール」。この両立が、プロジェクトマネジメントにおける最大の課題でした。私が参加した当初、TSMOは設立初期で、まずは関係者の役割や連携の枠組みを丁寧に整理するところから着手しました。ITのパートナー企業とは、システムズの保険領域での経験と先方の強みを持ち寄り、品質基準や進め方の前提を相互にすり合わせることで、プロジェクト全体としての品質をどう高めていくかに注力しました。
そうですね。共通理解を深めるために、過去のインシデントを振り返って原因を可視化し、VSM(バリューストリームマッピング※3)でプロセス全体を共有しました。TSMOのビジネス部門やITのパートナー企業と協働で改善点を具体化していく、地道な取り組みを重ねたことが、品質向上に確実につながったと感じています。
私も、複雑なコスト条件などを自分だけで判断せず、すぐにT.Mさんに相談しながら進めました。また、口頭のやり取りだけでなく、図や表にまとめて関係者間の認識齟齬をなくす工夫も、課長のサポートがあったからこそ徹底できたと感じています。


Chapter 03
Chapter 03苦労の先に見えた景色。プロジェクトがもたらした確かな成長。
このプロジェクトは、正直に言って大変なことの連続でした(笑)。でも、前例がない中で「どう進めたらいいかわからない」という壁に何度もぶつかったからこそ、自分で進め方を考えて形にしていく力が身についたと感じています。ここで経験した苦しさがある分、今担当している別のプロジェクトでは「あの時に比べれば」と心に余裕が持てますし、気にするべきポイントもわかる。自分なりの「型」ができたのは大きな財産です。
わかります。私も、プロジェクトが始まる前にT.Mさんから「プロジェクトマネジメントは心配性の方がうまくいく」とアドバイスをいただいたのですが、その意味が身をもって理解できました。「認識齟齬があるかもしれない」「検討漏れがあるかもしれない」といったリスクを常に想定し、先手を打つ。そのためのスケジュール管理や会議体の設定など、プロジェクトマネージャーとしてどういう類の心配性であるべきか、そしてその心配をどう解消していくべきかを一つひとつ学べた気がします。
本当に2人ともすごく成長してくれたなと。正直、入社4、5年目の彼らにとっては過酷な環境だったと思います。TSMOのビジネス部門とITのパートナー企業の間で複数の利害や優先順位を丁寧に調整する場面があったり、検討したものが白紙に戻ったり…。それでも投げ出さずによく耐えて、自分のものにしてくれました。D.Sさんが別のプロジェクトを一人で取り仕切っている姿や、S.Fさんが最初は倒れそうなくらい心配していたのに(笑)、最後には堂々とプロジェクトを推進している姿を見た時は、本当に嬉しかったですね。
そう言っていただけると嬉しいです(笑)。
私も全力で支えていただいて、なんとかやりきることができました。この経験は、間違いなく自分のキャリアの糧になっています。


Chapter 04
Chapter 04この経験を未来へ。私たちが次に目指すもの。
このプロジェクトを経験して、東京海上グループのビジネス部門のさらに先にいらっしゃる“お客さま”を、これまで以上に強く意識するようになりました。現状は東京海上グループのビジネス部門経由で間接的にお客様の声を伺うことが多いのですが、今後はもっと直接コミュニケーションを取る機会を持ちたいです。現場の肌感覚をつかむことで、より本質的な課題解決に繋がる提案ができるはず。そして、それをスピーディーに価値として届けられるような開発プロセスを工夫していくのが次の目標です。
私も、お客様の声をプロダクトに活かす、という点は同じ想いです。その上で、東京海上グループのビジネス部門から寄せられる多くの要望に対して、「本当に今それが必要なのか?」という視点を持ち、開発プロセス全体をより良くしていく提案に挑戦したいと考えています。お客様の言葉の裏にある本質的なニーズは何か。そこから一緒に考えることで、東京海上グループのビジネス部門も、ITのパートナー企業も、そして私たちも、みんなが幸せになれる開発の形を模索していきたいです。
2人がそうやって次のステップを見据えてくれているのが頼もしいですね。私自身の挑戦としては、この『MIMAMO DRIVE』での経験を活かし、システムズとして非保険領域のビジネスをさらに拡大する道を切り拓くことです。システムズというと、学生の皆さんには「保険のシステム会社」というイメージが強いかもしれません。でも実際は、社会課題の解決に向けて、こんなにもダイナミックな新規事業に挑戦できるフィールドがあります。
確かに、保険のシステム開発とはまた違った面白さや喜びがありました。自分の仕事が直接契約に繋がったと聞いた時は素直に嬉しいです。
そうですね。そして何より、システムズの魅力は、D.SさんやS.Fさんのように、若いうちからプロジェクトをリードする立場を任せてもらえることだと思います。世の中一般で見ると、入社5年目前後でこれだけの経験ができる会社はそう多くないはず。もちろん大変なこともありますが、その分、ビジネスに寄り添いながら早期に成長できる環境がある。この挑戦の先に広がる可能性を、未来の後輩たちにもぜひ感じてほしいですね。


(※2)システム開発におけるユースケース:システムを誰がどのように利用して何を達成するのかを整理したもの。
(※3)VSM(バリューストリームマッピング):システム開発のプロセスを図で表し、作業の無駄や改善点を見つけるための方法。