PROJECT STORY

基幹システム「GNet」を深化させるプロジェクト

保険サービスのコア業務を支える巨大システムに挑む。

プロジェクトについて

GNetは2012年に導入した損害保険金請求サービスの新システム。東京海上日動の全国の拠点から保険金請求に対する対応が可能になったことで、例えばある地域に大規模災害が発生した場合に、全国の拠点から迅速なお客様サポートが実現できるようになった。2018年にはシステムのバージョンアップ対応を実施した。

Tさん

オープンサービス本部(課長)
1999年入社

Kさん

戦略企画部(シニアアーキテクト)
2002年入社

将来のことも考えて、実装すべき機能を決めた

K
もともと1990年代から、保険金をお支払いするためのシステムを保有していましたが、2012年にこれを刷新し、GNetという新しいシステムを完成させました。それまでのシステムは一からオリジナルで開発したものでしたが、新システムの開発にあたっては、システム開発期間の短期化や投資対効果の最大化を目的として、当時世界的に多くの保険会社で導入されていた海外のパッケージソフトを、日本の保険会社で初めて採用し、導入しました。
T
私は2012年のプロジェクトには参画していませんが、振り返ると、刷新によるメリットは大きかったと感じますね。
K
新たなパッケージソフトの採用により、システムの仕組みがシンプルになりました。そのため、例えば、以前よりも機能追加や改善のためのシステム改定を短期間で実現できるようになるとともに、必要な情報が簡単に検索できるようになりました。これまでのシステムは、改定を繰り返すうちに巨大化し、複雑な構造になってしまっていたのです。
T
Kさんはパッケージソフトの評価に関わっていらっしゃいましたが、その際に重視した点は何でしょうか?
K
最も重視したのは、パッケージソフト導入後の保守、改定です。自分たちが手を加えやすいシステムであることが、何よりも重要ですからね。その調査のため、海外のソフト開発会社を含めて様々な会社に赴き、ヒアリングを重ねました。結局、実際にシステムに触るのは私たちであり、私たちが使いにくいものを導入することはその後の保守や改定を困難にしてしまいますから、導入後のメンテナビリティを特に重視しました。
T
実際に海外にも赴いてヒアリングされたのですね。自分たちが修正、更新しやすいソフトを導入したとはいえ、これまでのゼロから創り上げたシステムとは異なり、パッケージソフトではできることがある程度限定されてしまうといった点は苦労があったと思います。東京海上日動のビジネス部門から、実装してほしい機能など様々な相談があったと思いますが、いかがでしたか?
K
確かに、その点は苦労しましたね。ただ、言われるままに要望を実装していくと、以前と同様に、結果的にシステムを複雑化させてしまい、対応スピードが低下してコストが増加してしまうことが懸念されました。そのため、ビジネス部門とのコミュニケーションを重ね、理解を得ながら、一つひとつの要望に対して細かく調整していきました。「できる」「できない」を伝える以前に、将来のことまで考えた上で実装すべきか否かを判断して、「実装すべきではない」と判断した機能については他の方法も提案しました。

システム更新の際も、
最優先で考えるのは「お客様視点」

K
パッケージシステムは導入して終わりではなく、定期的な更新が必要です。そこで、2018年に、新しいバージョンへの切り替えをTさんとともに取り組みましたね。
T
そうですね。万が一の際に保険金をお支払いするために利用するシステムですから、決してミスできないという想いで、責任感を持ってプロジェクトを推進しました。システムを新しいバージョンへ切り替える際には一時的にシステムを停止させる必要がありますが、この「システム停止時間」をなるべく短縮することが求められました。これには大変苦慮しましたね。
K
確かに、システム停止時間の短縮にもこだわりましたね。海外の同業他社では、システムを24時間止めて対応した事例もあったそうですが、我々は、お客様に万が一の事態があった場合に、24時間もお待たせしてしまうことは避けたいと考えていました。
T
そうですよね。ただ、停止時間を短縮するために検討していたデータ移行ソフトが利用できないと判明したときは焦りました。海外へ赴き、ソフトの開発責任者と対面で打ち合わせしながら、なんとか利用できる方法を見出すことができた際は、本当に良かったと思いました。
K
そういった苦労がありながらも、ビジネス部門と目線を合わせながら、どの様にしたらお客様視点でより良くなるのかを常に考えることで、結果的にプロジェクトをスムーズに進めることができたのですね。
T
おっしゃる通りです。また、IT業界の最前線でグローバルに事業を展開するパートナー会社とともにプロジェクトを進めているのも当社の特長かもしれませんね。例えば、今回採用したパッケージソフトを提供する会社は、海外でカンファレンスを開催しており、毎年、当社の社員も参加しています。世界を代表する保険グループの一員として、海外にも訪問し、そこで得たつながりや最新の情報をシステム開発に活かしていますね。

大規模災害を乗り越える、インフラとしての役割

T
苦労しながらもブラッシュアップを重ね、運用してきたGNetですが、具体的にどの様な価値をお客様へ提供できていると思いますか?
K
何と言っても、事故や災害に遭われたお客様に対して、よりスピーディーに保険金をお支払いできるようになったことに大きな価値があると思います。GNetを導入する以前は、保険金をお支払いするために、事故や災害が発生した現地へ東京海上日動の社員が赴いて実施しなければならないような業務がたくさんありました。しかしGNetの導入後は、日本全国の東京海上日動の拠点から、保険金をお支払いするための業務を実施できるようになりました。
T
確かに、地震や台風等の大規模災害が発生した際に、ユーザーから「GNetを活用してスピーディーに保険金をお支払いできた」といった声をいただいたことは嬉しかったですね。
K
他にも、実際に現場でシステムを使用し、入力作業に携わる社員からも「スムーズに業務ができるようになって助かった」「どこを見れば必要な情報が手に入るか分かりやすくなった」との声をいただきました。そういった声を聞くと、このシステム導入に携わってよかったと思えますね。
T
お客様の万が一を支えるシステムですから、大きなプレッシャーや責任感がありますが、同時に、それだけ影響力の大きなシステムを自分たちが動かしているのだと感じ、やりがいもあります。今回のプロジェクト以外にも、東京海上グループの保険ビジネスを支えるようなシステム開発が多くありますので、これからも多くの経験が出来ると思っています。

チームを動かし、無限の可能性を追い求めたい

K
このプロジェクトを通じて、「個人でできることは有限でも、チームでできることは無限なのだ」ということを強く感じました。今回構築したシステムは非常に規模が大きかったため、複数のパートナー会社と連携しながら進めていきました。一人では成し遂げられないような規模のシステム構築を、仲間と協力することで成し遂げることができ、改めて組織で仕事をする強さを感じましたね。
T
私も同じことを感じました。人数の面だけでなく、自分とは異なる専門分野を持った仲間と、お互いの得意分野を活かしながら質の高い仕事ができた点でも、チームだからこその良さを感じましたね。Kさんは、このプロジェクトだけでなく、いくつもの大きなプロジェクトに携わっていると思いますが、次はどんなことに挑戦したいですか?
K
私は、世の中で進化し続けている最新技術を組み込みながら、自分がこれまで携わってこなかったような分野のシステム開発に挑戦していきたいです。そのためにも、新しいメンバーや業務と関わり続けたいと思っています。Tさんはいかがでしょうか?
T
私も、新しい技術を積極的に学び、それらを取り入れたシステムを開発していきたいという点は同じです。その上で、特に、様々なシステムの基盤となるインフラの開発に携わっていきたいですね。共通の仕組みを作ることができれば、システムとしての安定性を向上させることができますし、個別に開発しないことでコストを下げることもできます。また、節約することで生まれたお金や人手を使い、さらに新たなことにも取り組めるようになります。社員の挑戦を応援する風土がある会社ですから、常に新たなことにチャレンジし続けたいと思っています。

TOKIO MARINE NICHIDO SYSTEMS CO.,Ltd RECRUITING

まだ見ぬ可能性を「Design」する。

「本質を追求し深化と進化を」